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Premiere Proシーケンス設定完全ガイド|フレームレート29.97fps・30fps・60fpsの使い分けとYouTube・TikTok最適設定

Premiere Proシーケンス設定完全ガイド|フレームレート29.97fps・30fps・60fpsの使い分けとYouTube・TikTok最適設定

Premiere Proで動画編集を始める際、最初につまずくのがシーケンス設定です。「YouTubeにアップしたら画質が劣化した」「縦動画が横向きになってしまった」といった問題の多くは、シーケンス設定の選択ミスが原因です。本記事では、フルHD・4K・縦動画それぞれに最適なシーケンス設定を徹底解説。特に混乱しやすい29.97fpsと30fps、59.94fpsと60fpsの使い分けについても詳しく説明します。

Premiere Proのシーケンス設定とは?初心者向け基礎知識

シーケンス設定は、動画編集プロジェクトの「土台」となる重要な設定です。家を建てる際の基礎工事のようなもので、ここを間違えると後から修正するのが非常に困難になります。シーケンス設定では主に、解像度(フレームサイズ)、フレームレート、ピクセル縦横比、オーディオ設定を決定します。

シーケンス設定で決める主要項目

解像度は動画の画質を決める最も重要な要素です。一般的なフルHD動画は1920×1080ピクセル、4K動画は3840×2160ピクセルとなります。数値が大きいほど高画質になりますが、その分ファイルサイズも大きくなり、編集時のPC負荷も増大します。

フレームレートは1秒間に表示される静止画の枚数を示し、動画の滑らかさを決定します。日本の放送業界では29.97fpsが標準ですが、用途によって23.976fps、30fps、59.94fps、60fpsなど様々な選択肢があります。この選択が動画の印象を大きく左右するため、用途に応じた正しいフレームレート選びが重要です。

ピクセル縦横比は、現代のデジタル機器では基本的に「正方形ピクセル(1.0)」を選択します。これは1ピクセルが正方形であることを意味し、特別な理由がない限りこの設定で問題ありません。オーディオ設定では、サンプルレート48000Hzが一般的で、プロの映像制作でも標準として使われています。

シーケンス設定で押さえるべき基本用語

  • 解像度(フレームサイズ):動画の横×縦のピクセル数。1920×1080がフルHD、3840×2160が4K
  • フレームレート(fps):1秒間のコマ数。数値が大きいほど動きが滑らかになる
  • タイムベース:シーケンスの時間の刻み方。フレームレートと連動して設定される
  • ピクセル縦横比:ピクセルの形状。通常は正方形ピクセル(1.0)を選択

シーケンス設定と素材の関係性

シーケンス設定を決める際、最も重要なのは使用する素材との関係性です。例えば、4Kで撮影した素材をフルHDシーケンスに配置すると、素材は自動的に縮小表示されます。この場合、4Kの高解像度情報は使われず、フルHDの品質でしか編集できません。

逆に、フルHD素材を4Kシーケンスに配置すると、素材は拡大表示され画質が劣化します。理想的なのは、使用する素材の中で最も高解像度のものに合わせてシーケンスを作成することです。こうすれば、すべての素材を最高品質で扱えます。

フレームレートの選び方:29.97fps vs 30fps、59.94fps vs 60fps

フレームレート選びは、初心者が最も混乱するポイントの一つです。なぜ30fpsではなく29.97fpsという中途半端な数字が存在するのか、その理由と実用的な使い分けを詳しく解説します。

29.97fpsと59.94fpsが生まれた歴史的背景

29.97fpsという数字は、1950年代のアメリカのテレビ放送規格「NTSC」に由来します。当初、白黒テレビは正確に30fpsで動作していました。しかし、カラーテレビ導入時に色情報を追加する必要が生じ、電波の干渉を避けるため、わずかに遅い29.97fpsに変更されたのです。

具体的には、30fpsから1000分の1001倍に減速されました。つまり、29.97fpsは正確には29.97002997...fpsという値です。この変更により、既存の白黒テレビとの互換性を保ちながら、カラー放送を実現できました。59.94fpsも同様の理由で、60fpsの1000分の1001倍という値になっています。

29.97fpsと30fpsって、見た目で違いが分かるの?

人間の目では違いはほとんど分からないよ。でも、長時間の映像では音声とのズレが生じる可能性があるから、プロジェクト全体で統一することが大切なんだ!

日本国内での実用的なフレームレート選択

現代のデジタル機器では、技術的にはこの制約は存在しません。しかし、放送業界との互換性を保つため、29.97fpsと59.94fpsが今でも標準として使われています。日本のテレビ放送、DVD、Blu-rayディスクはすべて29.97fpsベースです。

一般的な動画制作では、29.97fpsを選んでおけば最も無難です。日本国内のテレビ放送、YouTube、ニコニコ動画など、ほとんどのプラットフォームで問題なく再生されます。特にテレビ放送や業務用途を想定している場合は、29.97fpsが必須です。

一方、30fpsや60fpsは主にヨーロッパ(PAL規格)や完全なオンライン配信向けです。YouTubeやTikTokなどのプラットフォームは両方に対応していますが、日本国内での配信を考えるなら29.97fpsを選ぶのが安全です。ただし、プロジェクト内で29.97fpsと30fpsを混在させるのは避けましょう。

高フレームレート(59.94fps・60fps)を選ぶべきシーン

59.94fpsや60fpsは、動きの激しい映像で威力を発揮します。スポーツ中継、ゲーム実況、ドローン撮影、ダンス動画などでは、高フレームレートにより滑らかな動きを表現できます。また、スローモーション映像を作りたい場合にも必須です。

例えば、59.94fpsで撮影した素材を29.97fpsのシーケンスに配置し、速度を50%に落とせば、滑らかなスローモーション映像が完成します。59.94fpsは29.97fpsのちょうど2倍なので、フレーム補間なしで綺麗なスローが作れるのです。

ただし、高フレームレートにはデメリットもあります。ファイルサイズが約2倍になるため、ストレージ容量を多く消費します。また、編集時のPCへの負荷も高くなります。逆に、映画のような「シネマティックな雰囲気」を出したい場合は、23.976fpsや24fpsの低フレームレートを選ぶことで、独特の質感を演出できます。

フレームレート選びで失敗しないためのポイント

  • 日本国内向けの一般的な動画制作なら、29.97fpsが最も安全で互換性が高い
  • スポーツ、ゲーム実況、スローモーション用素材なら59.94fpsまたは60fpsを選択
  • 映画のような雰囲気を出したいなら23.976fpsや24fpsが効果的
  • 29.97fpsと30fps、59.94fpsと60fpsの混在は絶対に避ける
  • 迷ったら、撮影素材のフレームレートに合わせてシーケンスを作成する

フルHD横動画(1920×1080)の最適シーケンス設定

最も一般的な動画形式であるフルHD横動画は、YouTube、ニコニコ動画、ブログ埋め込みなど、幅広い用途に対応できます。ここでは、フルHD動画の正しいシーケンス設定方法を詳しく解説します。

フルHDシーケンスの作成手順

Premiere Proを起動したら、「ファイル」→「新規」→「シーケンス」を選択します。シーケンス設定ウィンドウが開いたら、左側のプリセット一覧から「AVCHD」→「1080p」→「AVCHD 1080p30」を選択するのが最も簡単です。これで解像度1920×1080、フレームレート29.97fpsのシーケンスが自動的に作成されます。

より細かく設定したい場合は、ウィンドウ上部の「設定」タブをクリックします。編集モードは「カスタム」、タイムベースは「29.97フレーム/秒」を選択。フレームサイズの水平に「1920」、垂直に「1080」と入力します。ピクセル縦横比は「正方形ピクセル(1.0)」を必ず選択してください。

オーディオ設定も重要です。サンプルレートは「48000Hz」、ディスプレイフォーマットは「オーディオサンプル」が標準的です。これらの設定により、プロの映像制作と同等の品質を確保できます。

YouTube・SNS投稿用の推奨設定

YouTubeへのアップロードを想定する場合、シーケンス設定は1920×1080、29.97fpsで問題ありません。YouTubeは自動的に様々な解像度に変換してくれるため、視聴者の環境に応じて最適な画質で配信されます。

ただし、書き出し時の設定も重要です。形式は「H.264」、プリセットは「YouTube 1080p フルHD」を選択します。ビットレートは10〜16Mbpsを目安にすると、画質とファイルサイズのバランスが取れます。高品質を優先するなら20〜30Mbpsまで上げても良いでしょう。

4K動画(3840×2160)のシーケンス設定と注意点

4K動画は、フルHDの4倍の解像度を持つ超高画質フォーマットです。YouTubeでも4K配信が一般的になり、より高品質な映像制作が求められています。ここでは、4K動画のシーケンス設定と編集のコツを解説します。

4Kシーケンスの正しい作成方法

4Kシーケンスを作成する場合、残念ながらPremiere Proのプリセットには直接的な4K設定がありません。そのため、手動で設定する必要があります。「ファイル」→「新規」→「シーケンス」から「設定」タブを開き、フレームサイズの水平に「3840」、垂直に「2160」と入力します。

フレームレートは撮影素材に合わせて選択します。一般的な4K動画なら29.97fps、より滑らかな映像を求めるなら59.94fpsを選択します。ただし、59.94fpsは編集時のPC負荷が非常に高くなるため、PCスペックと相談しながら決定しましょう。

4K編集時のプロキシ活用テクニック

4K素材は1ファイルあたりのデータ量が膨大で、編集中の動作が重くなりがちです。そこで活用したいのが「プロキシ」機能です。プロキシとは、元素材を低解像度に変換した編集用の代替ファイルのことです。

プロキシの作成方法は簡単です。プロジェクトパネルで素材を右クリックし、「プロキシ」→「プロキシを作成」を選択します。プロキシプリセットは「H.264 低解像度プロキシ」を選べば、フルHD解像度のプロキシが自動生成されます。編集中はプロキシを使い、書き出し時だけ元素材に切り替わるため、低スペックPCでも快適に4K編集ができます

4K動画の書き出し設定

4K動画の書き出しでは、ビットレートが重要になります。YouTube用なら35〜45Mbps、高品質保存用なら60Mbps以上を確保しましょう。形式は「H.264」でも良いですが、ファイルサイズを抑えたい場合は「H.265(HEVC)」コーデックの使用も検討できます。

H.265はH.264よりも高効率な圧縮が可能で、同じ画質でもファイルサイズを約半分に削減できます。ただし、再生環境によっては対応していない場合があるため、配信先の対応状況を事前に確認してください。

縦動画(1080×1920)のシーケンス設定:YouTubeショート・TikTok完全対応

近年、TikTok、Instagramリール、YouTubeショートなど、縦動画の需要が爆発的に増加しています。縦動画は横動画とは設定が全く異なるため、正しい知識が必要です。

縦動画シーケンスの作成手順

縦動画の標準的な解像度は1080×1920ピクセルです。これはフルHDを90度回転させた形式で、アスペクト比9:16になります。Premiere Proのプリセットには縦動画用の設定がないため、完全に手動で設定します。

「ファイル」→「新規」→「シーケンス」から「設定」タブを開き、フレームサイズの水平に「1080」、垂直に「1920」と入力します。注意点として、横と縦を逆にしないようにしてください。水平が横幅、垂直が高さです。フレームレートは通常29.97fpsで問題ありませんが、TikTokでは59.94fpsや60fpsも人気です。

プラットフォーム別の最適設定

YouTubeショートは、解像度1080×1920、フレームレート30fpsまたは60fps(29.97fpsや59.94fpsも対応)、最大長60秒という仕様です。書き出し時のビットレートは8〜12Mbpsが推奨されます。音声は必ず含めるようにし、サンプルレート48000Hz、AACコーデックを使用します。

TikTokも基本的には同じ1080×1920ですが、ビットレートは6〜10Mbpsで十分です。TikTok側で自動圧縮されるため、過度に高ビットレートにしても効果は薄いです。最大長は10分まで対応していますが、短い動画の方がエンゲージメント率が高い傾向があります。

Instagramリールは1080×1920、フレームレート30fps(29.97fpsも可)、ビットレート8Mbps前後が最適です。最大90秒までの動画をアップロードできます。いずれのプラットフォームも、スマートフォンでの視聴を前提としているため、テキストやグラフィックは大きめに配置することをおすすめします。

縦動画の主要プラットフォーム比較表

プラットフォーム 解像度 フレームレート ビットレート 最大長
YouTubeショート 1080×1920 30/60fps 8-12Mbps 60秒
TikTok 1080×1920 30/60fps 6-10Mbps 10分
Instagramリール 1080×1920 30fps 8Mbps 90秒

横動画素材を縦動画に変換する方法

横向きで撮影した素材を縦動画にしたい場合、いくつかの方法があります。最も簡単なのは、縦動画シーケンスに横動画素材を配置し、「エフェクトコントロール」パネルで「スケール」を150〜200%程度に拡大する方法です。ただし、この方法では画質が劣化する可能性があります。

より高品質に仕上げるには、4Kなど高解像度素材を使用することをおすすめします。4K横動画(3840×2160)を縦動画(1080×1920)に変換する場合、拡大せずにクロップ(切り抜き)だけで対応できるため、画質劣化を最小限に抑えられます。「エフェクト」パネルから「クロップ」エフェクトを適用し、左右をカットして中央部分だけを使用します。

シーケンス設定の失敗例と対処法

シーケンス設定を間違えると、様々な問題が発生します。ここでは、よくある失敗例とその対処法を紹介します。

素材とシーケンスの解像度が合わない場合

フルHD素材を4Kシーケンスに配置すると、素材が小さく表示されます。この状態で書き出しても4Kの恩恵は受けられず、むしろファイルサイズだけが大きくなります。対処法は、素材に合わせてシーケンスを作り直すか、「シーケンス設定に一致」機能を使って素材の解像度に自動調整することです。

逆に、4K素材をフルHDシーケンスに配置した場合は問題ありません。素材は自動的に縮小表示され、書き出し時にはフルHD品質になります。この場合、4Kの高解像度情報を活かして、パンやズームなどの動きを加えることもできます。

フレームレートの不一致による問題

29.97fpsの素材を30fpsのシーケンスに配置すると、わずかな速度差が生じます。短い動画では気になりませんが、10分以上の長時間動画では音声とのズレが発生する可能性があります。必ず素材のフレームレートとシーケンスのフレームレートを一致させましょう

素材のフレームレートを確認するには、プロジェクトパネルで素材を右クリックし、「プロパティ」を選択します。ここに表示されるフレームレートに合わせてシーケンスを作成すれば、問題は起こりません。

最適なシーケンス設定で動画編集を成功させよう

ここまで、様々なシーケンス設定について詳しく解説してきました。動画制作の目的によって、最適なシーケンス設定は大きく異なります。

YouTube向け横動画の推奨設定

YouTubeにアップロードする一般的な横動画なら、解像度1920×1080、フレームレート29.97fpsが最も安全です。この設定は日本国内の視聴者に最適化されており、ほとんどのデバイスで快適に視聴できます。より高品質を求めるなら、4K(3840×2160)での編集も検討できますが、視聴者の多くはスマートフォンで視聴するため、必ずしも4Kである必要はありません。

ゲーム実況やスポーツ動画など、動きの激しいコンテンツの場合は、59.94fpsでの編集をおすすめします。滑らかな動きが視聴体験を大きく向上させます。書き出し時は、H.264形式でビットレート10〜16Mbpsを目安にすれば、画質とファイルサイズのバランスが取れます。

SNS縦動画(TikTok・Instagram・YouTubeショート)の推奨設定

縦動画は完全にスマートフォン視聴を前提としているため、解像度1080×1920、フレームレート29.97fpsまたは30fpsが標準です。より滑らかな映像を求めるなら59.94fpsや60fpsも選択できますが、ファイルサイズが大きくなるため、通信環境を考慮する必要があります。

縦動画で重要なのは、テキストや重要な被写体の配置です。画面上下約10%は各プラットフォームのUIで隠れる可能性があるため、重要な情報は画面中央に配置しましょう。特にTikTokは画面下部にキャプションが表示されるため、テキストは中央から上部に配置するのが効果的です。

プロフェッショナル用途・保存用の推奨設定

結婚式のムービーや企業プロモーションビデオなど、長期保存を前提とした高品質動画では、妥協のない設定を選びます。可能であれば4K(3840×2160)、フレームレート29.97fps、書き出しはH.265コーデック、ビットレート60Mbps以上を確保しましょう。

さらに高品質を求めるなら、QuickTime形式で「Apple ProRes 422」コーデックを使用する方法もあります。ProResは放送業界でも使われるプロフェッショナル向けコーデックで、ほぼ無劣化での保存が可能です。ただし、1分あたり数GBという巨大なファイルサイズになるため、十分なストレージ容量を確保してください。

まとめ:シーケンス設定をマスターして高品質な動画を作ろう

Premiere Proのシーケンス設定は、一度理解してしまえば難しくありません。本記事で解説した内容を参考に、あなたの動画制作に最適な設定を見つけてください。高品質な動画制作を目指して、ぜひチャレンジしてみましょう!

まとめ

  • シーケンス設定は動画編集の土台。解像度とフレームレートは必ず撮影素材に合わせて設定する
  • 日本国内向けなら29.97fpsが最も安全。30fpsとの混在は避け、プロジェクト全体で統一する
  • フルHD横動画は1920×1080、縦動画は1080×1920が標準。4Kは3840×2160で設定
  • 高フレームレート(59.94fps/60fps)はスポーツやゲーム実況、スローモーション素材に最適
  • YouTubeショート、TikTok、Instagramリールはそれぞれ微妙に仕様が異なるため、配信先に応じた設定を選ぶ
  • 迷ったら、使用する素材の中で最も高解像度のものに合わせてシーケンスを作成すれば失敗しない