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45年待ちの神戸ビーフコロッケ「極み」——作れば赤字、それでも注文が止まらない理由

45年待ちの神戸ビーフコロッケ「極み」——作れば赤字、それでも注文が止まらない理由

「45年待ち」と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは何でしょう?高級マンションの抽選?名医の予約?——いいえ、答えはコロッケです。しかも一個540円のコロッケ。兵庫県高砂市の老舗精肉店「旭屋」が手がける神戸ビーフコロッケ「極み」は、今まさに注文しても届くのが2070年代というとんでもない人気商品です。作れば赤字になる、1日200個しか作れない、それでもなぜ全国から注文が殺到し続けるのか。その理由を深掘りしていきます。

「極みコロッケ」とは?兵庫・旭屋の看板商品

神戸ビーフコロッケ「極み」を作っているのは、兵庫県高砂市に本店を構える老舗精肉店「旭屋(名産神戸肉 旭屋)」です。大正15年創業の旭屋は、神戸牛専門の精肉店として長年信頼を集めてきました。 3代目店主・新田滋さんが開発したこの極みコロッケは、ネット通販限定の看板商品で、5個入り税込2700円(送料別、代金引換)という価格で提供されています。

極みコロッケは店頭では買えません。旭屋の本店や神戸店でも「極みコロッケ」の店頭販売はなく、注文はインターネットのみです。 商品は冷凍状態で届き、自宅で揚げて食べるスタイルです。

極みコロッケの基本情報

販売店:神戸牛専門店 旭屋(兵庫県高砂市)
販売方法:ネット通販のみ・代金引換・冷凍発送
価格:5個入り税込2,700円(1個あたり約540円)
現在の待ち時間:約45年(出荷予定2068〜2071年頃)
1日の製造数:200個限定(完全手作り)
公式サイト:https://www.asahiya-beef.com

なぜ45年も待つことになるのか?

「45年待ち」という数字だけ見ると冗談のように思えますが、これは紛れもない現実です。1日200個限定の完全手作りで、リピーターの再注文と新規の殺到が積み重なり、バックログが膨張しました。

待ち時間は発売以来、じわじわと伸び続けてきました。2000年代初頭の報道で人気に火がつき、2011年頃には5年半待ち、2017年頃には13〜17年待ちに達しました。2022年頃は30年待ち、2024〜2025年は38〜43年待ちとなり、2026年現在は公式で約45年待ちと更新されています。 テレビ番組で紹介されるたびに一気に延びるのも特徴で、2024年1月放映の「秘密のケンミンショー」で紹介された当時は約30年待ちでしたが、放映後に一気に10年以上も期間が延びてしまいました。

「なぜ製造を増やさないのか」という疑問は当然わきます。しかしここに、この商品の本質が隠されています。当初の販売価格1個300円に対して、原材料費が牛肉だけで400円。当然、作れば作るほど赤字がかさみます。 それでも品質を落とすことなく作り続ける——この姿勢こそが、人々を惹きつける最大の理由のひとつと言えるでしょう。

これが「極み」の理由。素材と製法へのこだわり

45年待ちの人気を支えているのは、やはり本物の素材と、妥協のない手作りへの執念です。

神戸牛はA5等級の3歳雌牛のみ

中身は別格で、A5ランクの3歳雌牛のみを厳選し、ステーキ用部位を角切りで使用。1個あたり牛肉約40グラム前後が入り、通常のコロッケの数倍の肉量を誇ります。 ミンチではなく角切りで使うため、食べたときにゴロっとした神戸牛の食感が口の中に広がります。店主の新田さんは市場のセリで信頼のおける農家の神戸牛のみを一頭単位で落札しており、仕入れの段階からこだわり抜いています。

じゃがいもも産地・熟成にこだわり

じゃがいもは兵庫県産レッドアンデス種を契約農家から仕入れ、牛糞堆肥を使った農薬栽培で育てられたもので、収穫後3ヶ月程度の冷蔵追熟で糖度を高めています。 この甘さが、神戸牛の旨みと絶妙に絡み合って独特のハーモニーを生み出しているのです。

機械化しない、手作りを貫く理由

様々な外注業者に同じ原材料でサンプルを作ってもらったが、やはり味が全然違う。ベテランの製造工場の方も「手作りには敵いません」とおっしゃっていたといいます。同業者でも、コロッケが売れるようになったからと製造を委託して味が落ちてしまい、倒産してしまったのを何軒も見ているため、今は自社で確実に作っていこうと思っています。 こうした職人気質が、極みコロッケの味を守り続けているのです。

極みコロッケ、注文する前に知っておきたいこと

  • 注文はネット通販のみ。店頭での購入は不可(本店・神戸店どちらも)。
  • 現在の待ち時間は約45年。今注文しても届くのは2070年代の予定。
  • 支払いは代金引換のみ。発送時に連絡が来るが、注文を忘れている人も多い。
  • フリマサイトでも出品されているが、通常より大幅に割高なので注意。
  • 届いたら170〜180℃の油で約4分揚げるだけ。付属の牛脂を加えると香ばしさが増す。

SNSで話題爆発!「一生のモチベーション」になるコロッケ

極みコロッケが長年ネットのネタとして定着していることも、人気を支える大きな要因です。最近のX投稿では、注文確認メールの配送予定が2052年と判明した画像が拡散され、1万件を超えるいいねを集めました。 リプライには「19年早く食べられて羨ましい」「相続税の対象では」「長生きのモチベーションになる」といったユーモアにあふれたコメントが並びます。

SNSには、このコロッケを人生の節目と重ねてきた人たちの声も溢れています。「注文したとき独身だったのに、届いたときには結婚して引っ越しも2回していた」「このコロッケを受け取るまでは地元に帰らないと誓いを立てた」など、たった一個のコロッケが人生のマイルストーンになっているのです。

45年待ちって、本当に届くの?詐欺じゃないの?って思っちゃうんだけど…

実は、注文者に発送前に確認の連絡がくるんだよ。でも待ちすぎて注文したこと自体を忘れている人も多くて、ご家族が出ると「何十年も前の注文の電話が来るわけない」と詐欺扱いされることもあるんだって(笑)

「作れば赤字」でも続ける理由——店主の職人魂

極みコロッケの謎の核心は、実はここにあります。原価割れしている商品を、なぜ作り続けるのか。新田さんはこう語っています。「肉を売りたかったので、コロッケは足掛かりでええと思ったんです。それが、あっという間に一人歩きしてしまって……」。

コロッケを作るほど赤字が積み重なることから、2016年に一度注文を中断したことがありました。しかし「商品が届いたお客様から次を注文しようとしたら出来なくなっていた」「何年でも待つから注文させてほしい」という声を想像以上に多くいただき、押されるように再スタートしました。 一番多くクレームをいただいたのは、実は注文を中止した時だったと言います。

これだけのファンに支えられているこのコロッケ。店主は「長らくお待たせしておりますが、お待ちいただければ、必ず届きますから幻ではないです」と笑います。 45年という途方もない時間の先に、それでも「届く」という確約がある。これが多くの人を注文に踏み切らせる理由のひとつでもあります。

食べた人のリアルな声——待った甲斐はあったのか?

長年待ち続けた人たちの感想は、どれも熱いものばかりです。「普段食べるコロッケとは思えないような大きなお肉が入っていて美味しかった。ジャガイモとお肉が相まっていい甘みがある」「揚げたての香りは焼肉と間違うほどだった。今まで食べたコロッケの中でダントツ美味しい」といった声が並びます。

コロッケがあまり好きではない息子が「今まで食べたコロッケの中で一番うまい」と食べたという家族の話や、友人にプレゼントしたところ「美味しくて自分でも注文した」という口コミもあります。 約10年待って受け取った方が「また注文してあるので、何年後かにまた食べられることを楽しみに待ちたい」と語るのは、極みコロッケがいかに特別な体験であるかを物語っています。

まとめ:45年待ちでも注文したくなる理由

極みコロッケが45年待ちになってもなお注文が絶えないのは、単に「話題だから」「SNSのネタになるから」というだけではありません。大正15年創業の老舗が積み上げてきた信頼、赤字でも妥協しない素材へのこだわり、手作りを守り続ける職人魂——それらが積み重なって生まれた「本物の味」への確信が、人々を動かしているのだと感じます。45年後に届くコロッケを注文するということは、ある種「未来の自分へのご褒美」を予約する行為かもしれません。そんなロマンを秘めた一品が、兵庫県高砂市の小さな精肉店から生まれていることに、なんとも言えない温かさを感じます。

まとめ

  • 兵庫県高砂市の老舗精肉店「旭屋」が手がける神戸ビーフコロッケ「極み」は、現在約45年待ち・出荷予定2068〜2071年という前代未聞の人気商品
  • A5等級3歳雌牛の角切り神戸牛+兵庫県産レッドアンデス種のじゃがいもを使用した完全手作り。作れば赤字になるにも関わらず品質へのこだわりを一切妥協しない
  • SNSで話題が広がり続け、食べた人の満足度は極めて高い。「45年待っても注文したい」と感じさせる味と職人魂が、伝説のコロッケを支えている